倉さん 上司 倉さん

ベテランの電気工事士。
優しい性格だが、時には厳しいことも。
安全が第一。

高くん 新人 高くん

高校を卒業したばかりの新入社員。
元気いっぱいで真面目だが、おっちょこちょいな面がありよく叱られている。

第10回 鉄道の歴史
倉さん

前回は関西の鉄道事情について解説しました。今回は日本の鉄道の歴史を見ていこうと思うよ。

確か日本の最初の鉄道って新橋~横浜間でしたよね。明治のはじめぐらい。

高くん
倉さん

今から約150年前の1872年(明治5年)に開業したんだ。NESCO変電システムの前身の高倉工業設立は63年前だから、歴史の重みを感じるね。
この頃は費用面や日本特有の立地の関係もあって、標準軌よりも幅の狭い狭軌(1,067mm)で敷設されたのが特長だよ。車輌や線路、工事、ダイヤ作成までほとんどがイギリスの技術者の指揮のもと行われていたんだ。

イギリスは鉄道の生みの親ですもんね。鉄道に限らずいろんな技術や機械を輸入してたと教科書にも書いてました。

高くん
倉さん

ちなみに関西では1874年(明治7年)に大阪~神戸間、その後1877年(明治10年)には京都まで開通。

関西の鉄道も意外と早く開通してたんですね。なんとなくもっと遅いイメージでした。

高くん
倉さん

そして1889年(明治22年)には新橋~神戸間の東海道線が開通。これまで11泊12日かかっていたものが約19時間に短縮されたんだ。120年以上前に東西の大動脈ができあがっていたと考えるとすごいよね。

時代の変化

12日 → 19時間はすごいですね。時代の進化を感じます!

高くん
倉さん

私鉄も実はこの頃から誕生していて、1881年(明治14)年に設立された日本鉄道を筆頭に、北海道炭礦鉄道、関西鉄道、山陽鉄道、九州鉄道が相次いで開業し「五大私鉄」と呼ばれるようになったんだ。
※のちに国有化

私鉄もそんなに古くからあったんですね。ちなみにこの頃は電気で動いてるわけじゃないですよね?

高くん
倉さん

そうだね。当時は鉄道=蒸気機関だから、住宅が密集してる場所への乗り入れは嫌がられたんだよ。そこで1900年ごろから都市部を中心に徐々に電化され、1930年頃には大手私鉄はほぼ電化されたんだ。
電化した当初の電車は低圧の600V直流を使っていたんだけど、技術向上によって電圧をあげられるようになったことで1922年ごろには当時の大阪鉄道が1500V直流を採用。以降は国鉄をはじめいろんな鉄道会社が1500V直流を採用していくんだ。

電化の変化
倉さん

パンタグラフが登場し始めたのもこの頃で、それまでは1本のポールを架線に接続するトロリーポールが主流だったんだよ。
ここまで読んでもらえるとわかると思うけど、現代の鉄道につながる基本的な部分は、第二次世界大戦前にはある程度できあがっていた。当時の日本がいかに鉄道に力を入れていたのかがわかるね。

鉄道の進歩って何となく戦後のイメージがあったので、こんな昔にもう仕組みができあがってたのはびっくりしました。

高くん
倉さん

そこから時代は進んで、東京オリンピックの開催に合わせるかたちで「新幹線」が発表されて1964年にデビュー。東京~大阪間が4時間で行き来できるようになったんだ。NESCO変電システム(高倉工業)の設立は1958年だから、ちょうどこの頃からスタートしたんだよ。

デビュー

当初19時間かかってたものが4時間ですか・・・ちょうど100年前はまだ江戸時代だったと考えるとすさまじい進歩ですね。

高くん
倉さん

その後も国鉄がJRに分割民営化されるなどの出来事があって今の鉄道につながっている。特に新幹線はその後もどんどん進化を続けて、今は東京~大阪間が2時間30分まで短縮されたし、リニアが開業すれば約1時間で移動できると言われてるね。
わたしたちも鉄道がどんどん整備されるとともに事業を拡大して、今では190箇所以上の変電所を担当している。戦後からずっと二人三脚で歩んできたことがわかってもらえるかな。

昔は人が歩いて12日以上かかってたものが、鉄道ができて19時間に。さらに新幹線ができて最終的に2時間半。鉄道の歴史って技術の歴史だって感じました。僕もその中の一員なんだと改めて思います。

高くん
倉さん

今回は鉄道の歴史について解説したけどどうだったかな?明治の文明開化のシンボルとして生まれ、ものすごいスピードで発展した鉄道は「新幹線」という日本独自のものを生み出すことに成功した稀有な例です。皆さんも興味があれば一度調べてみてくださいね。

次回

お問合せ

弊社サービス等について、ご不明な点がありましたら、
下記からお問い合わせください。