ベテランの電気工事士。
優しい性格だが、時には厳しいことも。
安全が第一。
高校を卒業したばかりの新入社員。
元気いっぱいで真面目だが、おっちょこちょいな面がありよく叱られている。
第5回の「電気が私たちのもとに届くまで」でも少し触れましたよね。
そうだね。
今回はもう少し鉄道変電にフォーカスして説明していくよ。まずは以前のおさらいも兼ねて。
電車は架線やレールから電気を取り込むことで動いていて、「直流」と「交流」の2種類の方式があります。
「直流」は関西圏や首都圏、中京圏のJR・私鉄
「交流」は新幹線や北海道、東北、北陸、九州のJR
で利用されているよ。
直流電車は車両の製造コストが安くて設備コストが高い
交流電車は車両の製造コストが高くて設備コストが安い
でしたよね。
なので大量の輸送が求められる都市圏では直流電車になっていると。
よく覚えていたね。ちなみに日本国内では直流が1,500ボルト、750ボルト、600ボルトの3種
交流が単相20,000ボルト、単相25,000ボルト、三相600ボルトの3種が主に用いられているよ。
それぞれ電圧が3種類あるんですね。
同じ直流でも車両が作られた時代によって当時のルールが異なるし、新幹線と在来線といった根本的な仕組みの違いもあってこのように複数の運用となっているんだ。
そしてこの電車を動かすための電気に調整するのが私たちの現場でもある変電所(鉄道変電所)というわけだね。
発電所で作られた電気がそのまま電車に供給されるのではなく、いくつかの変電所を経由して電圧を落としてから送るんでしたよね。
そうそう。
超高圧変電所や一次変電所などのいくつかのプロセスを経て鉄道やその他の事業、一般家庭などへ供給されるわけだね。
また直流電車の場合は、整流器などを用いて交流から直流に変換する作業も一緒に行っている。
鉄道は展開エリアが広いから、それぞれの路線に合わせて変電所を複数設置して電力の供給を支えてるんだ。
NESCO変電システムでは京阪神地区でおよそ190ヶ所以上の変電所を担当しているよ。
それだけ鉄道の電力を支えることは大変なことなんですね。
あと、他の変電所にはない鉄道変電所ならではの要素もあるよ。
鉄道変電所ならではですか?
電車には回生ブレーキと言って制動中に得た運動エネルギーを電気エネルギーに変換する仕組みがある。
ハイブリット自動車や電気自動車にも搭載されているもので、「ブレーキを踏むとそのエネルギーでバッテリーが充電される」と言うとイメージしやすいかもしれない。
この回生電力は基本的には他の加速中の車両で消費されるんだけど、消費しきれない場合は地上のレールを通って変電所へ送り返されていくんだ。
そんな仕組みになっていたんですね。
そのために送り返された電力を電力網へ回生できるように直流→交流への逆変換装置を設置したり、抵抗器を通して熱に変換して捨てたりする必要があるんだ。
変電所に送り返された電気は、駅の照明などに形を変えて消費されます。
これらの要素は他の変電所にはない鉄道変電所ならではのポイントと言えるね。
同じ変電所と言っても鉄道はかなり複雑な仕組みになっているんですね。
今回は変電所の役割と鉄道にフォーカスして解説したけどどうだったかな?
当社が担当している京阪神地区だけでも190ヶ所以上の変電所があって、これがあることで鉄道が日々運行できているということがわかってもらえたかなと思います。
次回は関西の鉄道事情について解説していくよ。
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前回は電気にまつわる用語について解説しました。今回は変電所の役割と鉄道について話していこうと思うよ。