倉さん 上司 倉さん

ベテランの電気工事士。
優しい性格だが、時には厳しいことも。
安全が第一。

高くん 新人 高くん

高校を卒業したばかりの新入社員。
元気いっぱいで真面目だが、おっちょこちょいな面がありよく叱られている。

第3回 電気の歴史
倉さん

前回は鉄道を動かしている電気の種類について解説したけどどうだったかな?
今回は電気の歴史について解説するよ

電気の歴史ですか。
電気というと最近のイメージがありますけど。

高くん
倉さん

そうだね。電気が一般に普及したのは最近のことだけど、その存在自体はかなり昔から認知されていたんだ。順を追って解説していくよ。

倉さん

電気が初めて発見されたのは紀元前の600年頃。
ギリシャの哲学者「ターレス」という人が、琥珀(こはく)を布でこすると糸くずなどの軽いものを引き寄せることを発見した。
これはいわゆる「静電気」で、みんなも下敷きを髪にこすりつけて逆立たせたことがあるんじゃないかな?この静電気は人類が初めて発見した電気だと言われているよ。

静電気

紀元前600年!?
そんなに古くから発見されていたんですね。

高くん
倉さん

昔の人は偉大だね。
ただ、電気の発見自体はかなり早かったけど、メカニズムが解明されていくのはずっと後になるよ。
次に大きな動きがあったのは1752年。アメリカの科学者「フランクリン」が、雷の中で凧(たこ)をあげるという危険な実験を行って雷が電気でできているということを突き止めたよ。

凧揚げ

え?どういうことですか?
いろいろと意味がわからないんですが・・・

高くん
倉さん

電気という概念が一般的でなかった当時は、雷という存在がよくわからなかったんだ。
フランクリンは電気をためることができる瓶を凧につないで空にあげ、瓶に電気を蓄えることに成功。雷=電気ということを証明したわけだね。その時に避雷針も発明したんだ。

めちゃくちゃ危ない実験をしてたんですね。
全然知りませんでした。

高くん
倉さん

その後、1800年にイタリアの物理学者「ボルタ」が、銅と亜鉛、そして食塩水があれば電気が発生することを発見。
世界で初めての電池「ボルタ電池」を発明するよ。人間が意図的に電気を発生させることができるようになったわけだね。
このボルタの功績が認められて、電圧の単位が「ボルト(V)」と名付けられたんだ。

ボルトって日常的にも使いますけど、ボルタさんの発明がきっかけだったんですね。

高くん
倉さん

私たちが日常的に使っているものが実は人の名前だったということは意外に多いからね。
電流の単位「アンペア(A)」は電磁気学の発展に大きく貢献したフランスの物理学者「アンベール」から名付けられたよ。
1831年にはコイルのそばで磁石を動かすと電気が発生することをイギリスの物理学者「ファラデー」が発見。これは「電磁誘導」といって、のちにモーターや発電機などに応用された技術なんだよ。

コイルと磁石の実験は理科でやりましたね。
このあたりになると一気に実用的と言うか工業的な要素が多くなった気がします。

高くん
倉さん

いよいよ現代的になった感じがするよね。
そして1879年、アメリカの発明家エジソンが電球を発明する。「世界から夜が消えた」と言われ、生活が大きく変わるきっかけを作ったんだ。
ちなみに当時の電球には、京都の竹を使っていたんだよ。世紀の発明に日本の素材が使われてるというのはちょっと驚きだよね。エジソンはその後、発電所を建造して送電のシステムを作ったり、蓄音機、映写機など1000を超える画期的な発明を残したよ。

エジソン

エジソンは授業でも習うので知ってましたけど、発電所や送電のシステムも作っていたんですね。

高くん
倉さん

鉄道の発展にも結果的に大きく貢献されたという点では、ちょっと身近に感じるよね。

電気って僕の中ではすごく近代的なものってイメージがありましたけど、結構昔から研究・活用されていたものだったんですね。ちょっと意外というか昔の人たちの偉大を改めて感じました。

高くん
倉さん

電気の歴史について理解してもらえたかな?
次回は電気がどのように作られるかについて解説するよ。

次回

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