倉さん 上司 倉さん

ベテランの電気工事士。
優しい性格だが、時には厳しいことも。
安全が第一。

高くん 新人 高くん

高校を卒業したばかりの新入社員。
元気いっぱいで真面目だが、おっちょこちょいな面がありよく叱られている。

第5回 電気が私たちのもとに届くまで
倉さん

前回は電気の作られ方について説明したけどどうだったかな?
今回はその電気がどのように私たちのもとに届くかを解説するよ。

電気は発電所で作られて、そのうち80%が火力が担っているということでしたよね。発電した電気をそのまま電線に流してるんじゃないんですか?

高くん
倉さん

いや、違うんだ。
発電された電気は、まず発電所内の変電所で11~27万ボルトという非常に高い電圧に変換される。電気を送る際のムダを減らすためにね。

ムダを減らすためですか?

高くん
倉さん

そもそも金属でできた電線には、電気を流れにくくする”電気抵抗”が存在するんだ。
電気を送ろうとするとこの電気抵抗に逆らうことになって、送電線に熱が発生して電気がムダに消費されてしまう。
電気を送る量が増えるほど発生する熱も大きくなるから、ムダに消費される分も増えてしまうというわけだね。

なるほど。そのムダが高電圧にすることで解決できると?

高くん
倉さん

電気は電圧が高くなると電流が少なくなるという特性があるから、高電圧にしたほうがムダが少なくなって効率良く電気を送ることができるというわけだね。

そんな理由があるんですか。
ただ、当然そんな高電圧だと家電製品には使えませんよね?

高くん
倉さん

もちろんそのままじゃ壊れちゃうからね。
だからいくつかの変電所を経由して徐々に電圧を下げて家庭に届けられる。下の表を見てほしい。

プロセス

結構なプロセスがあるんですね・・・

高くん
倉さん

かなりの手順を踏んでることがわかるね。
電気を使うのは一般家庭だけじゃないから、それぞれ必要とされる電圧まで調整してるんだ。
例えば一次変電所で6万ボルトまで変電された電気は、鉄道会社や大規模工場に送られて企業内の変電所で必要な電圧まで落とされるよ。

たしか新幹線は交流2万5000ボルトでしたよね。

高くん
プロセス2
倉さん

そうそう。
中間変電所で2万ボルトに変電された電気はコンビナートや大規模工場へ。
配電変電所で6千ボルトに変電された電気は大規模ビルや中規模工場、そして街中の電柱へ。最後に電柱の上にある柱上変圧器(トランス)で200~100ボルトに変圧されて各家庭に届くという流れだね。

普段何気なく使ってる電気ですけど、こんな流れになってたんですね。

高くん
倉さん

電気は私たちの生活だけじゃなくビジネスにも欠かせないものだから、同じ電気でもこうやって整理すると、必要とされるものの違いがわかって面白いよね。
今回は電気が私たちのもとに届くまでの流れを説明しました。次回は日本に2つの電気がある理由について解説していくよ。

次回

お問合せ

弊社サービス等について、ご不明な点がありましたら、
下記からお問い合わせください。